歯並びを診るだけで、その人の癖や生活習慣などが垣間見えることがあります。
または、顔つきを見るだけで、その人の歯並びの特徴を感じ取ることができます。
なぜガタガタの歯並びになるの?
簡単に言うと、『小さなアゴに、大きな歯が並びきれていない』状態です。
歯の本数や大きさは、遺伝的に決まっています。人間の場合、乳歯は上下で20本、永久歯は上下で28本~32本。親知らずが生えるかどうかで違います。中には、先天的に歯の本数が少ない方もいらっしゃいます。歯の大きさも、遺伝的要素が大きいと言われます。
しかしアゴの大きさは、確かに遺伝的要素もありますが、後天的にお口の周りの筋機能の働きによって発育が促進したり不足したりします。アゴの発育が、本来あるべき大きさに不足して小さいままになってしまうと、小さいアゴに歯が並びきらずに、ガタガタになってしまうのです。
なぜ出っ歯になるの?
見た目的には上の歯が出すぎていて「出っ歯」になっているように感じますが、実は下のアゴの成長の不足で下の歯が引っ込んでいる、とするのが妥当だと考えられます。
本来安静時には、①唇は静かに閉じられていて ②下は上アゴにぴったりくついていて ③静かな鼻呼吸ができていること。そして唾液などをゴクンと飲み込むときには、④正しい飲み込み方ができていること、が重要です。これらが自然にできていると、お口回りの筋機能が理想的に働いて、歯並びもきれいになるといわれています。
しかし、①お口が開いていて ②舌もだらんと下の方に落ちていて ③口呼吸することが多く ④飲み込むときに「おとがい」と呼ばれる下唇の下に力が入ってしまうと、「おとがい筋」によって下アゴが奥に押されてしまいます。すると、下アゴの成長が抑制されて、下の歯の歯並びがガタガタになり、上の歯が前に出てきてしまったように見えてしまいます。『出っ歯だから、唇を閉じられない』ではなく、『唇を閉じないから、出っ歯になる』と考えた方が良いと言えます。
また、前歯で下唇を噛む癖があったり、下が上あごにくっついておらず上の前歯を押すようにする癖があったりすると、出っ歯のようにみえることがあります。すべてのことには原因があります。なぜそうなってしまったのか、その原因を探って改善させることで、歯並びを治していくのが私たちI Dental Clinicの矯正治療です。
なぜ歯並びを治した方がいいの?
「どうせ乳歯は抜けるんだから、永久歯が生え代わってから矯正治療をすればいい」
「歯並びが悪くても、病気じゃないんだから、気にしなければそのままでもいい」
「親も歯並び悪いから遺伝でしょう。しょうがないよね」
「矯正治療って、時間もお金もかかるから、すぐに決断できない」
そんな風に思って、子どもの頃の矯正治療をあきらめたり、躊躇したりする方も少ないと思います。しかし、私たちはこう考えます。アゴの大きさと歯の大きさのバランスが良くないことで歯並びが悪くなるのであれば、アゴが発育する小児期にこそ、理想的な発育のために治療を進めるのが重要です。この時期にしかできない治療法とも言えます。また、理想的な発育を抑制してしまう悪い癖や習慣があるのであればそれを改善し、筋機能が発育不足であればそれを助けるトレーニングをおこなうこと。それがアイデンタルクリニックで取り組んでいる「小児矯正治療(ORT矯正)」なのです。
また別の視点から、早期に矯正治療をすすめる理由があります。それは、歯並びが悪くなる原因を探ると、実は呼吸や睡眠、発達などと大きく関わっていることが多いからです。たとえば、いつも口呼吸ばかりしていると、風邪をひきやすい、疲れやすい、慢性的な鼻炎、アレルギー症状などが出やすいです。睡眠中何度も目を覚ます、いびきをかく、寝相が悪い、おねしょをする。落ち着きがない、食が細い、食べるのが遅い、活舌が悪い。など、歯科とは一見関係なさそうなこれらのことが、歯並びを悪くする原因を改善すると、良くなる事例が多いのです。これは、舌が上アゴにぴったりおさまることで、舌が気道をふさいでしまうことを防いだり、自然な鼻呼吸ができるようになることで、理想的な睡眠がとれるようになって良い発育を助けたり、咬み合わせがよくなることで食事の摂食嚥下や発音などにも良い影響が表れるのだと考えられます。単純に見た目の歯並びを治すのではなく、その原因を改善することを重要視している「小児矯正治療(ORT矯正)」は、全身の健康にも大きく関与していると考えています。
だからこそ、「歯並び」から感じる日常の生活習慣や全身の健康について、いち早く気づいてアプローチできたらと思うのです。歯科医院は子どもから大人まですべての年代の方が通院されています。気づいた時がはじめ時。ご自身やご家族のことで、何か気になることがありましたらいつでもご相談ください。
#歯並び #歯列矯正 #こども歯科 #小児歯科 #矯正治療 #歯列不正 #不正咬合 #口呼吸 #鼻呼吸 #いびき #睡眠障害 #おねしょ #口腔周囲筋機能 #口腔機能発達不全 #唇 #舌 #歯科医院選び